セーラームーンの格闘ゲームを作りたい、という考えは初代セーラームーン放映当時('92年)からありました。 しかしながら、その頃の私にはそこまでの技術はなく、スプライトエディタで直立ポーズを何枚か描いてみたり 技のアイデアをノートに書き留めるくらいしか出来ずにいました。
で、SFXVIに出会うわけです。当時はユーザーがキャラクタを作ることは出来ませんでしたが。 しかし、やがてユーザー自身で追加キャラクタを制作可能に!公開されているキャラクタのプログラムを眺めてみると それほど難しくないように思えました。「これなら私にも出来る!」というわけで制作着手。 開始日は1994年8月24日。私の誕生日だったりします。
既存キャラの改造ではないオリジナルキャラとして一番乗りを密かに狙っていたのですが 「変態仮面」に先を越されて、ちょっとだけ悔しい思いをしました。 ともかく、制作開始から約1ヶ月で初公開バージョンが完成したのでした。
当時、キャラものの格闘ゲームには大抵「ゲーム内オリジナルの必殺技」や「キャラのイメージにそぐわない技」
といったものが存在しており、それが以前から気にくわなかった私は、これらを真っ向から否定するようなキャラを作ろうと固く決意しました。
この方針は当然、今でも変わっていませんけどね。
セーラームーンの場合、具体的には「拳で殴るような技は入れない」「脚を開くような技は入れない」
「仰向けに倒れさせない」といったところに注意しています。女の子らしさを失わないようにしたつもりなんです。
通常技に関しては、私の好きなキャラから拝借しているものが多いですね。「春麗」「ガルフォード」の影響が顕著に見られると思います。
しゃがみ大Pはガルフォードのしゃがみ大斬りの再現を狙って作りました。相手を転ばせる技として足払いを付けるのは
ありきたりかなと思っていたのでこうなりました。ダメージとか隙の大きさとかかなり試行錯誤しましたね。
ジャンプ大Kもガルフォードを意識していたのですが、あまり似なかったせいもあってこれに気が付いたのは一人だけだったようです。
一つだけ困ったのが投げ技だったりします。この頃は投げられた相手の動作を制御するのがほぼ不可能だったため、
どうしても背負い投げ風の技になってしまいます。「セーラームーンに人を投げ飛ばすような腕力があっていいのか?」
と散々悩んだ挙げ句、「スターダストスルー」という名称で体全体を使って投げ動作を行う技を作りました。
後日、投げられ動作が自由に作製出来るようになったのを期に投げ技をほかのものに変えたところ不評でして、なんだか複雑な気持ちでした。
Version 0.90でしばらく開発がストップしました。それまでの経過を簡単に振り返ってみましょう。
97年末の冬コミで、なにを間違えたかスペースが取れてしまいました。前々からセーラームーンのファイナル版を
作らなくてはと考えていたので、冬コミ合わせで作ることにしました。
今まで、つぎはぎ的に技の追加を行っていたため、各技の存在意義があいまいになっていたり、
バランスが良くなかったり、かなりごちゃごちゃしていて、
Version 0.90 のセーラームーンは納得できないものでした(作った当時はそう思ってなかったんですけどね)。
ですから、冬コミ版で完全6B対応、全技性能の見直しを行うことにしました。
基本技のセルは、すべて描き直しか追加する予定でしたが、さすがにそこまで時間が無いので
いくつかはそのまま残しました。ちなみに、そのまま残したものは、しゃがみ中P、しゃがみ大P、
立ち大K、しゃがみ中Kです。セルの追加修正が、しゃがみ小P、立ち小K、立ち中K、しゃがみ小K
ジャンプ大K。それ以外はすべて新規です。
このバージョンのセーラームーンについて言えることは、全体的に弱体化が激しいってことですね。 その中にあってMGMの性能が飛びぬけているので、これ以外の技があまり使ってもらえない。きびしいなぁ。
続く
94年末、セーラームーンがそこそこ完成度が上がってきたので、そろそろ次のキャラを作るかと思い 候補を探してみました。で、当時私が最もハマっていたアニメが「赤ずきんチャチャ」でした。 マジカルプリンセスをSFXVIに登場させてみたら面白いかもしれない、と思い 技のアイデアなどをノートにまとめてみたのですが(ファンには怒られそうですが) セーラームーンとの共通点が多いんですよね。 同じタイプのキャラを作っても面白くない、 ということで白羽の矢が立ったのがやっこちゃんだったのです。
「赤ずきんチャチャ」は私にとって非常に思い出深い作品です。とくにやっこちゃんは、 今でも私の中でのベストキャラクタです。そんなお気に入りのキャラを作るとなれば、 いやがおうにも気合いが入るというもの。技のアイデアはいくらでも浮かんできました。
初一般公開版について やっこちゃんの初一般公開版は95年初頭に完成しました。この時の完成度の高さに驚かれた方も
いましたが、地元のネットで試作版をテスト公開しながら制作を進めていたから、初公開版の完成度が
高くなったというわけなのです。
テスト中は色々遊んでまして、びんた(コマンド投げ)の間合いをスタート直後でもつかめるくらい
広くしてみたりしました。テスト版でしか出来ない遊びですね。こういうのは。
特に悩むことはなかったですね。確かにリーチの短さは問題ありでしたが、
短いなりにも使い道のあるようになったと思っています。
近距離大攻撃は原作によく似たシーンがあります。が、当時の人気ゲーム「キングオブファイターズ’94」
の怒チームが大のお気に入りだった私は、このチームのメンバーである「ラルフ&クラーク」の近距離大Pを参考に性能を決めたのでした。
遠距離大攻撃はチャチャの音楽集CD「聖まじかるレビューVol.2」収録のドラマ(?)内でやっこちゃんが使った
「後ろ回し蹴り」を想像して作ったものです。ちなみに、技のモーションの途中で一瞬だけスカートの中が見えるようになっています。
アニメではチャチャ、やっこちゃん、マリンちゃんはスカートの下にズロースをはいていて色気もくそも無いのですが(爆)
SFXVIではどうもそうではないようです・・・。
ジャンプ大攻撃は、まともな飛び込み連続技を狙うための攻撃が欲しかったので、平手棒を持たせています。
これは苦肉の策ですね。地上の平手棒は必殺技だというのに・・・。
平手棒の姉妹品にパンチ棒というのがありますが、これはどうやらしいねちゃん専用のようです。
セーラームーンと違っていかにやっこちゃんに対する愛情を表現するか、
ということに賭けていたので隠し勝ちポーズがどんどん増殖したり、FACE.PICが増殖したり、
技の出展の解説テキストを書いてみたり、格闘ゲームに関係ない部分ばかり充実していったような気がします。
でも満足。
格闘ゲームキャラとしてのバージョンアップは、気まぐれでコンビネーションアーツを実装してみたり、
気合入れてエリアルレイヴを実装してみたりと、はちゃめちゃ加減がかなりアップして行きました。
システムのバージョンアップに伴ってエリアルレイヴが使用不可能となってしまい封印せざるをえないのが
悲しい限り。いずれ正式版を作らねばなりません。
初公開版から現在に至るまでに追加された必殺技というのは、実は驚くほど少ないんです。まずは薬。
初公開版でセレクタのグラフィックが完成されていたことからもわかる通り、登場させる薬はすでに決まっていました。
ですから、それにしたがってつくるだけ。ちなみに薬のアイデアは鉛筆、リモコンを除いた当初6個しかありませんでした。
しかし6種類という数字は半端です。やはり、あと二つ足して8種類にしたい。
何か追加できそうなものは・・・と考えて出てきたのが、闘いの役に立ちそうもない鉛筆とリモコンです。
薬を間違えたりするのは、やっこちゃんにはよくあることです。つまり、飛び道具にこの二つを混ぜることで
やっこちゃんらしさがかなりアップするはず。そうして8種の薬が決まったのです。
もうひとつは「打倒チャチャ」です。乱舞系の技を作ってみたいな、という思いからスタートしています。
が、巷にはその手の技が溢れかえっていました。他の人と同じ事をやってても面白くないので
色々と趣向を凝らしてみたんですが、当たると痛いけどまず当たらない技になってしまいました。
具体的にどのへんが違うかというと、「ほうき飛行中にコマンドを入力する」「一度画面外に消えてから落下してくる」
「技の最後に決めポーズをとる(笑)」って感じ。決めポーズのタイミングにはちょっとこだわりました。
長らくバージョンアップしていないのですが、かなりの数のネタのストックが出来ています。
念願のチャチャOVAをゲットし、それを鑑賞中にひらめいたアイデアもいくつかあったりして。
ちなみに「薬を飲んで巨大化して闘う」というアイデアがあったんですが、セルを大量に消費する割に
あまり面白くなさそうだったのでボツにしちゃいました。
次のバージョンアップは互換システムの動向次第ですね。
互換システムがどうのとか上に書いてますが、やっぱり待ちきれなくなったらしいです。
プログラムは全て書きなおし、本格的なエリアルレイヴが楽しめるキャラとなりました。
エリアル関係はほぼこれで完成でしょう。実装を見送った技の復活と演出の強化。
それとメテオコンボ(笑)の追加ですかね。
続く
95年夏、そろそろ普通の格闘が出来るキャラをSFXVIで作ってみたいと思い、候補を探していました。
そこで思い付いたのが「聖闘士星矢」の紫龍です。さすがに、もう覚えている人は少ないかもしれませんね。
私はこの作品が大好きで、オリジナルの聖衣を考えたり、ノートに落書きしたり等してました。
絵柄にもかなり影響を受けてます。高校生の頃から一人称に「わたし」を使っているのも聖闘士星矢の影響です(笑)。
登場キャラの中では乙女座のシャカが一番好きだったのですが、このキャラをSFXVIに登場させるのは
かなり無理があります。なんだかよくわかんないけど光ってダメージ与える技も多いし、天舞宝輪なんてどうすんの?
しかたがないので主人公五人衆の中で一番お気に入りの紫龍を選んでみました。
紫龍の必殺技を吟味してみると、廬山昇龍覇はアッパー系、廬山龍飛翔は突進技、廬山亢龍覇は相討ち覚悟の最終兵器。
他にもエクスカリバー、百龍覇など格闘ゲーム向きな必殺技には事欠きません。これはイケる!
と、ノリ気になっていたところに友達から電話がありました。早速、新キャラのアイデアの話をしようと思い 「今、新しいキャラの構想を練ってるんだ」と切り出してみました。すると「新キャラって、るろうに剣心とか?」 という返事が。この言葉には大きなショックを受けました。 剣心はジャンプ本誌に読み切りが掲載されたときから気に入っていた作品だったのに、 SFXVI化という考えはなぜか全く頭に無かったのです。剣心がSFXVIで動くところを想像し、悪くない、 と思った私は「そうじゃないけど、剣心も悪くないね」と答え、瓢箪から駒的に剣心の開発がスタートしたのでした。
剣心といえば侍。侍といえばサムライスピリッツです。当時の格闘ゲームの中では異彩を放っていたのが
このゲーム。あぁ、昔はよかった・・・。
というわけでサムライスピリッツテイストのキャラを目指しました。
特に注意したのは攻撃がヒットしたときの感触ですね。いかに痛さを表現するか。
攻撃のモーションも「これが当たったら痛そうだ」という動きになるよう気をつけました。
剣心は刀を抜刀した状態で闘ったり、刀を鞘に納めての抜刀術(居合)で闘ったりと、静と動の二つのスタイルを
巧みに使い分けています。だったらSFXVI剣心も両方を使い分けられるようにしようじゃないか、
と思って、基本技と必殺技が全く異なる二つのモードを用意することを考えました。
もちろん二つのモードは、戦闘中任意に切り替え可能。実質2キャラ分のデータを用意しなければならないんですが
やっぱり剣心を名乗るにはやるしかない。
方針も決まったところでバリバリと作業を進めていきました。
続く
SFXVIでシューティングゲームの機体を作ることが出来る!ということでサンプルとして 添野さんがビックバイパーを作成されました。これにはかなりの衝撃を受けました。 オプションを二つまで付けることが出来、それぞれからミサイル、レーザーを撃てたりと、 格闘ゲームの常識を打ち破るキャラクターだったのです。
しかし、ビックバイパーを名乗るには見過ごせない違いがいくつかあり、それが気になっていた私は
シューティングキャラの習作として、改造版ビックバイパーを作ることを決めました。
では、どこが違っていたのでしょうか?
1.ショットが3連射
ビックバイパーのショットは2連射が伝統です。
2.レーザー射出後のY座標追従がない
レーザー射出後も、自機を上下に動かすとレーザーも同じように上下に動かなければなりません。
実のところ、これだけなんですけどね。今にしてみれば、わざとそういう違いを残しておいたのかも、
と思います。改造のための格好のネタになりますからね。
これらを直しただけで発表するのも気が引けるので色々と遊び心を加えてみることにしました。
グラIIっぽくしよう、ってことでボイスとSEを全部差し替え。それからバリアをフォースフィールドに変更。
これはちょっと面倒でした。何といってもSPが6枚必要になります。SPの確保の問題から、
レーザーを短くしてしまいました。もともと、レーザーはSP8枚=横128ドットの長さがあったのですが
2枚削ってSP6枚=横96ドットにしてしまいました。でも、違いがあんまり目立たなかったのでよし。
自機のグラフィックは沙羅曼蛇のものを使用しているにもかかわらず、2Pは単なる色違いだったので
2Pのグラフィックをロードブリティッシュに変えてみました。1Pと2Pで完全にセルが違うキャラは
多分これ以外にはないんじゃないかな・・・。
ロードブリティッシュといえばパワーアップゲージの並びが違うのがポイント。ライフフォースのゲージの並び方は
「ミサイル」「オプション」「レーザー」「リップル」「スピードアップ」「?」となっているので
XVI版に存在しない「リップル」を除いてそのまま再現。これは難しくはなかったですね。
色々手を加えてみた結果を発表してみたところ、一部では好評でしたが、 結局極悪キャラであることに変わりはなく、私もこんなものだろうと思ってましたので、 それ以来まったく手をつけることはないのでした・・・。
それからしばらく経って、同じくシューティングキャラとしてTK2さんが「OPAOPA」を発表。 なるほど、こういう方法もあったのかと感心することしきり。 真似して作り直してみようかなと思っていたりします。 ただ、移植キャラを作るのはあまり好きではないので可能性は限りなく低いんじゃなかろうか・・・。
終わり
鉄拳のようなキャラを作りたい!という思いから生まれたキャラです。
コマンド形態、技、操作感覚なども、それらしいものを狙ってみました。しかし、ちょうどこの頃、
会社勤めを始めた関係で時間が無く、セルを描く余裕も無かったので既存キャラのセルを流用することにしました。
そこで出てきたのがリュウです。
リュウのセルを眺めて、これはこんな技に使えそうだ、とあたりを付け技を作成する、という
非常に特異な方式で作っていった結果、なんだかよくわからんキャラが出来てきました。
まがりなりにも鉄拳風を目指していたので、空中コンボだけはそこそこ出来るように作りました。
追い打ちの自由度に関しては胸を張れる出来になったと思います。相手が、地上にいる、空中にいる、
バウンド中、ダウン中でそれぞれヒット効果が異なるような技を簡単に作れるようにしてありましたから。
そんなこんなで出来上がった非リュウですが、普通のキャラと闘うと、技のスピードの関係でまるで歯が立たず、 同キャラ対戦でもCPUの思考ルーチンを組んでいないのであまり面白くない。見た目がリュウなので、 つい波動拳や昇龍拳コマンドを入れてしまう。リュウのセルは3D向きな技が少ない。鉄拳シリーズの研究不足。 等々、様々な要因が重なり、冷静になって見直すと、とても誉められた出来じゃありませんでした。
3D格闘マニアの人にはちょっとだけウケたようなのが救いかな・・・。 しかし、これであきらめたわけじゃありません。セルを全てオリジナルで用意したキャラでリターンマッチ の機会を虎視耽々と狙っています。
終わり
MAIL−BOXの関東オフに向けて何か新キャラを作ろう、という動機から始まったのがこのキャラです。
期間的に、既存キャラの改造じゃないと間に合いそうも無かったので、例によってリュウの改造キャラを作ることにしました。
リュウの改造では上で苦い思いをしたので、基本はオリジナルに忠実で、そこにプラスアルファしたキャラにしよう。
それなら時間も余りかからないだろうとの読みもありました。
ではプラスアルファの要素はどうする?格闘ゲームマニアの友達が散々誉めていたゲームがありました。
バトルマスターです。ある法則で必殺技を必殺技でキャンセル
出来るらしい、と以前聞いていました。それをわかりやすくまとめてみたら面白くなるのでは?
また、この当時連続技のインフレが進み、ローリスクハイリターンが好まれる風潮があったので、
それを真っ向から否定するシステム、リバースチェーンコンボを思い付いたのです。
そして必殺技のチェーンもリバースチェーンにあわせて強中弱の方向につながるようにしました。
基本のシステムは決まりました。しかし、いわゆる超必殺技的な技が欲しい。ここで出てきたのが ファイナルファンタジーVIIです。 このゲームの登場キャラクタである「ティファ・ロックハート」 が実に格闘ゲーム向きな動きをするんです。このゲーム内の超必殺技とも言えるリミットブレイク をモチーフにしてはどうだろう、という安直な理由でリミット技を組み込むことに決めました。
FF7をプレイした方にはおなじみのシステムですね。
本物に忠実にするなら技の成否はスロットで決めるべきなんですが、それでは面白くなさそうだったので
追加コマンドを入力することで追加攻撃が出るようにしてみました。
で、その追加コマンドなんですけどティファのリミット技には「メテオストライク」というものが存在します。
この技はFF6にも存在し、
格闘ゲームのような必殺技コマンド入力で出すことが出来ました。
このFF6のコマンドと追加コマンドを同じにしたらFFファンに喜んでもらえるんじゃないだろうか。
だまっていてもコマンドは見つかるんじゃないだろうか、という考えが頭に浮かび、
追加入力コマンドは全て非公開にしました(爆)。
・・・誰にも気がついてもらえなかったみたいです。悲しい・・・。
作っている最中、ストリートファイターIIIが発売されました。
派手さはないけど、参考になるところは満載。
とくに、立ち技重視のバランス設定、ブロッキングといったところに惹かれるものがあり
Ryu_Rも当然のごとくそれを取り入れることにしました。
ブロッキング実装の動機はもうひとつありました。
当時、「Ryu'」(ぴぴぴ☆さん作)というキャラが
ブロッキングのようなものを搭載していました。
なぜかこれに対抗意識が芽生えてきて、
なんとしても本物に近いブロッキングを再現させなくてはと思うようになったのです。
ブロッキング、つまり攻撃の打ち消しなんですが、その他の付加効果が重要かつ、実現が難しいものなのです。
ブロッキングに成功すると、自分以外の時間が止まります。これはCAPCOM製格闘ゲームでよく見られる
システムなのですがSFXVIで実現するのは非常に難しい。というより完璧な実装は不可能です。
さらにブロッキングされたキャラに「攻撃がガードされた」と思わせなければいけません。
実際にどうやって実現しているかはソースを見ていただくとして、とにかくめんどくさかったです。
その分、自分でも納得の出来るものになりましたけど。
ストIIIのリュウに追加された技で最もインパクトの大きかった技は
「真昇龍拳」です。
その驚異的な威力もさる事ながら、なによりもカッコイイのがポイント。
なんとかRyu_Rにも実装させたいと思ってしまうのも仕方ないですよね。
とはいっても、普通のスーパーコンボとして追加するのは芸がない。
というわけで生まれたのが「スーパーチェーンコンボ」です。
「必殺技チェーン」には「大→中→小の方向に繋がる」「同じ必殺技をつなげることは出来ない」
というルールがありました。このうちの後者の条件を取り払ったものがそれです。
例えば大昇龍拳を中昇龍拳コマンドでキャンセルすると、真昇龍の2発目と同じような攻撃を出せます。
そしてその攻撃を小昇龍拳コマンドでキャンセルすると、真昇龍の3発目と同じような攻撃を出せます。
つまり全体として見た時3回コマンドを入力することで真昇龍拳が完成するというわけです。
これはなかなか面白いアイデアかもしれない、と思い、
同じように真空波動拳、電刃波動拳を組み込みました。
ここまではよかったのですが竜巻旋風脚のスーパーチェーンをどうするか思い付かない。
普通に考えれば真空竜巻になるんですが、中竜巻、小竜巻コマンドを入れた時の変化をどうするかで
悩んでしまいました。しかたがないのでこの技は未だに保留になっています。
私立ジャスティス学園で面白かったのが
ツープラトンですね。
これ、見た目も派手で決まると気持ちいいんですよ。んで、SFXVIでも出来ないかなと思ったわけです。
ツープラトンを作るならパートナーはケンで決まり。何をモチーフにするかっていうと、
やっぱり「あきら」・・・っていうかEVA。
ウケがよさそうだっていうのと、二人のキャラの動きが同じなので作りやすそうだというのが、選んだ理由です。
二人のキャラを同時に動かさなければならないのでPCGの空きを確保出来るかどうかが最大のポイントですね。
プログラム自体はセーラームーンのルナとほとんど同じですから、それほど難しいものではありません。
SFXVIの仕様として、キャラクタの表示に使えるPCGの最大数は64個です。
しかし64個フルに使うとキャラがちらついてしまい非常に見苦しい。ですから32個以下に納める
のが基本です。つまりツープラトンなので二人あわせて32個に納める必要があります。
セルを目立たないように削って使用PCGを節約しました。
苦労したのは座標あわせですね。プログラム的には投げ技ですから、自分の動きと相手の動きを
作成してやらなければいけません。それに加えてパートナーの分も必要。この辺の調整が一番時間が掛かりました。
それでも自分とパートナーの動きがほとんど同じなだけ楽だったのですが。
そういうわけでプログラムも完成したのですが・・・本家に比べると迫力が全然足りない。
やっぱり、視点移動をバリバリに使えるポリゴンゲームと比べてしまうと辛いですね。
なんとか迫力を出そうとヒットマークを替え、画面フラッシュをつけて、派手なヒット音を使ってみました。
少しはましになったと思うんですがやっぱり厳しいですね。
ツープラトンが増えたことで、特殊な必殺技が3系統存在することになります。
前バージョンでは、ゲージの使い道はほとんどスーパーチェーンだったと思われます。ツープラトンも
リミットブレイクと同様に連続技用ではなく、使われない可能性が高い。ではどうするか?
ストIIIでおなじみの「スーパーアーツセレクト」システムを参考にすればいいんです。
つまり「リミットブレイク」「スーパーチェーン」「ツープラトン」のどれかひとつを最初に選び、
ゲームオーバーになるまで選んだシステムで戦わなければならない。
これは面白そうです。「リミット」はダメージを受けることによってゲージが上昇。
「スーパーチェーン」「ツープラトン」は攻撃するほどゲージが上昇。「スーパーチェーン」は
連続技に自然に組み込めますが、他の二つは基本的に単発技です。どれを選んだかによって戦法が
かなり変化するに違いないと思ったんですね。実際に、試みが成功したかどうかはわかりませんけど。
このアビリティセレクトを搭載したバージョンを発表する直前にZERO3
の情報が公開されました。って、何?このISMセレクトは。
なんかネタかぶってるような・・・。
かまわずアップしちゃいましたけどね。ツープラトンはなかなか好評で苦労した甲斐がありました。
続く